こんな疑問にお答えします。
結論から言いますと、前歯の虫歯を綺麗に治療することは可能です。
実は、私自身も、以前は前歯の隙間にできた虫歯に悩んでいました。ですが、最終的には、全く治療跡が目立つことなく綺麗に治療することができました。
そんなわけで、この記事では次のような内容についてご紹介しています。
この記事の内容
- 前歯の隙間にできた虫歯の治療法とは
- 私が受けた治療法の紹介
前歯の虫歯に悩んでいる方、なんとしても綺麗に治療したいと思っている方は、ぜひご覧ください。
目次
前歯の隙間の虫歯の治療法とは?
一般的な治療法
前歯の虫歯に限った話ではありませんが、虫歯の治療法として一般的なのは次の2つでしょう。
- 虫歯を削って詰め物や被せ物をする
- 抜歯をしてインプラントや入れ歯にする
正直、私は、前歯以外の歯であれば、しっかりと治療してもらえるなら見た目はあまり気になりません。
ですが、前歯の虫歯の場合、一番心配なのは治療後の見た目です。
私が前歯の虫歯に悩んでいた時、ずっと気になっていた2つの疑問がありました。
- 歯の裏側から治療できるのかどうか
- 歯の表側から治療した場合、健康な歯と詰め物の境界線は目立つのかどうか
この疑問についての答えは、色々な歯医者巡りをして質問してみたところ、次のように言われました。
- 歯の裏側からの治療はできない
- 歯の表側から治療した場合、健康な歯と詰め物の境界線は目立つ
歯の裏側からの治療は、私の虫歯の場合、裏からの治療は位置的に難しいと言われました。
また、歯の表側から治療した場合、やはり、健康な歯と詰め物の境界線はどうしても目立ってしまうそうです。
この2つのことについての詳しい話は、この記事の後ろの方で、また改めてご紹介したいと思います。
私が受けた治療法
それでは、私が実際に受けた治療法とは何だったのでしょうか?
それは、ずばり「インビザライン」です。
ちなみに、こちらが現在の私の前歯です。
そして、虫歯があった箇所はこちら。
赤い矢印のすぐ先、上前歯のセンターの隙間部分です。
正面から見て右側の前歯の側面に、小さな穴が空いていました。
治療後の今は、こんなに至近距離で見ても治療跡を見つけることはできません。
インビザラインと前歯の虫歯治療を平行して行うことで、全く治療跡が目立つことなく綺麗に治療することができました。
「インビザライン」という言葉を初めて聞いた方も多いかもしれません。
私自身も、実際に始めるまでは全く知りませんでした。
それでは、次にこの「インビザライン」とはどんなものなのか、ご説明したいと思います。
インビザラインとは?
「インビザライン」とは「取り外しができる透明なマウスピースを用いた歯の矯正」のことです。
インビザラインを始める時は、インビザライン治療を行っている歯医者に行き、どんな歯並びを目指すのかカウンセリングするところから始まります。
そして、カウンセリングが終わったら、次に現在の歯並びの歯型を取ります。
現在の歯並びのデータをインビザラインのシステムに取り込むと、それを元に最終的に目指す歯並びを決めます。
すると、現在の歯並びから、最終的に目指す歯並びに変化するまでの歯の動きがシュミレーションされ、複数のマウスピースが作成されます。
そのマウスピースを2週間毎に取り替えながら順番に付けていくことで、少しずつ目指す歯並びへと歯が動いていく仕組みになっています。
インビザラインは保険が効かないということもあり、値段は決して安くはありません。
ですが、ワイヤー矯正のような強烈な痛みはありません。
そして、最終的に目指す歯並びに変化するまでの動きを、事前に細かくシュミレーションして決めているため、噛み合わせの良い理想的な歯並びを正確に実現することができます。
インビザラインを用いた虫歯治療とは?
私は、インビザラインと虫歯治療を平行して行うことで、前歯の隙間にできた虫歯を綺麗に治療することができました。
具体的にはどんな方法なのか、分かりやすいように写真を見ながらご説明したいと思います。
まずは治療前の状態からです。
以前は、黒い三角で印を付けた箇所に虫歯がありました。
ただし、虫歯によって穴が空いていたのは、歯の側面の隙間部分。
実際には、正面から見ても虫歯は隠れて見えない状態でした。
まずは、前歯をそれぞれ3ミリ程削ってセンターに隙間を作ります。
赤い点線を付けた部分を削り取ります。
私の前歯は少し大きめだったため、少し削っても全く問題ありませんでした。
これは珍しいことではなく、矯正治療では、歯の形を整えたり、歯が移動するスペースを作るために、前歯のサイドを削る人は結構多いようです。
前歯のセンターに隙間ができたら、その隙間から虫歯の治療をします。
虫歯が浅ければ、サイドを削り取る作業で虫歯が丸ごとそぎ落とされる可能性もあると言われていました。
ですが、結局、思いの外、虫歯が深くまで進行していたため、隙間から治療後、歯の側面から詰め物を詰めました。
虫歯の治療が終わった後は、インビザラインで歯の矯正を始めます。
段々と歯が動いていく過程で、開いていたセンターの隙間も、すぐに埋まりました。
センターの隙間が閉じたことで治療跡も隠れます。
インビザラインが終わり、全ての治療は終了です。
インビザラインは1年近く続けました。
虫歯も綺麗に治り、歯並びも良くなり、大満足です。
なぜインビザラインを始めようと思ったのか
今まさに前歯の虫歯に悩んでいて、この記事を読んでいる方は、ここまで読んでも、
という気持ちには、すぐにはなれないかもしれません。
まず、値段が決して安くはありません。
そして、矯正はある程度の期間継続して行う必要がありません。
本当に始めるなら、しっかりと最後まで続ける意志が必要です。
私自身にとっても、インビザラインは、気軽に始められるようなものではありませんでした。
子どもの頃にワイヤー矯正をした経験もあり、正直、矯正に対しては「痛い・面倒・恥ずかしい」という悪い印象しかありませんでした。
それでは、なぜインビザラインを始めてみようと思うことができたのか?
それは、インビザラインという選択肢にたどり着くまで、いくつもの歯医者で前歯の虫歯について相談していた経緯があったからだと思います。
そう諦めていた時に出会ったのが、インビザラインでした。
私にとって、インビザラインはまさに救いの神。
落ち込んでいたタイミングで出会った選択肢だったからこそ、始めてみよう!そう思うことができました。
そんな訳で、次からは、私がインビザラインという選択肢にたどり着くまでの経緯についてご紹介したいと思います。
インビザラインという選択肢にたどり着いた経緯
私が初めて前歯の虫歯に気が付いてから、実際に治療を開始するまで、計4回、3箇所の歯医者へ行きました。
計4回、3箇所の歯医者の内訳は次の通りです。
- かかりつけの歯医者《1回目》
- かかりつけの歯医者《2回目》
- 保険適用外の歯医者
- 審美歯科クリニック
そして、驚くことに、初めて前歯の虫歯に気が付いてから、実際に治療を開始するまで、なんと7年近くの年月が流れています。
なぜ、何回も違う歯医者に行ったのか?
なぜ、何年も治療が開始されなかったのか?
その理由については、インビザラインにたどり着くまでの経緯を全て読んでいただけたら、お分かりいただけると思います。
かかりつけの歯医者へ《1回目》
インビザラインに出会う約7年前、私は前歯の隙間に虫歯を発見しました。
ある日、歯磨きをしていた時のこと。前歯の隙間を磨いているハブラシの先端が何かに引っかかるような違和感を覚えました。
手鏡を近づけてよく見てみると、歯と歯の隙間の奥の方に見える小さな小さな黒い点。
ただの影であってほしいと祈るような気持ちで、さらによく見てみると、やはりそこには小さな小さな穴が空いていました。
治療が終わった今は落ち着いた気持ちで振り返ることができますが、その時はかなりショックでした。
まず、真っ先に心配になったのは治療跡が目立つことなく治療できるのかどうかということ。
歯医者に行って、その心配の結果をショックな形で突きつけられることが怖く、できればこのまま歯医者から逃げ続けたい気持ちでした。
ですが、放置して手遅れになることも怖かったため、かなり気は進みませんでしたが、ひとまずかかりつけの歯医者に行ってみることにしました。
早速かかりつけの歯医者を予約して向かい、診てもらうことになりましたが、「まだ小さい虫歯のようなので、このまましばらく様子を見ましょう。」とのこと。
え!なんで??
そう思いましたが、その疑問を口に出すことはできませんでした。その時の私は、完全にびびっていました。
これ以上深く追求すると、「治療跡が目立つことは避けられない」そんな結論に達してしまうことが怖く、それ以上詳しく聞くことができなかったのです。
現実と向き合う勇気が無かった私は完全に逃げました。
先生の診断を素直に受け入れ、「このまましばらく様子を見る」ことにしたのです。
かかりつけの歯医者へ《2回目》
「このまましばらく様子を見る」ことを決めたあの日。
あの日から月日はあっという間に流れ、約6年もの時間が流れようとしていました。
もちろん、6年間、全く歯医者に行かなかったという訳ではありません。
半年に1回程のペースで定期健診には通っていました。
ですが、定期健診で何も言われないことを良いことに、ずっと虫歯から逃げ、「様子を見る」ことに徹底していました。
ですが、6年が経った頃、ふと不安になりました。
6年間の間に、虫歯が少しずつ少しずつ進行していることは、確実に実感していました。
その理由は、前よりもはっきりと虫歯の穴が見えるようになったこと。
以前は目を凝らさなければ見つけられなかった穴が、今は手鏡を近付ければすぐに目視できるようになっていました。
とは言っても、それでもまだまだ小さい穴なので、誰かと対面で話していても気が付く人はほぼいないレベルではありました。
穴が少し大きくなったことで嫌だったのは、細かい粒状の食べ物が虫歯の穴に引っかかるようになったこと。
磨き切れない虫歯の穴の中に食べ物のカスが溜まっていたら…そんな風に想像すると、とても気持ちが悪いと思いました。
虫歯の進行を感じたことで、私は再び、虫歯と向き合おう!という気持ちになりました。
再び、かかりつけの歯医者を予約しました。診断の結果は「今治療しても治療跡が目立つだけなので、まだこのまま様子を見ましょう。」とのこと。
「治療跡が目立つ」
あまりにもショックな言葉に、私の気持ちは再び小さくしぼんでしまいました。
虫歯と向き合おうと思った気持ちは一瞬で砕け散り、またも、これ以上深く追求することができなくなってしまいました。
保険適用外の歯医者へ
「治療跡が目立つ」という言葉にショックを受けた2回目の受診。
それからまた6年…とは、さすがになりませんでした。
6年も放っておいて言えることではありませんが、放置していても虫歯は治るものではありません。
私は、治療跡を残さないような何かスゴイ治療法が他にもあることを信じて、違う歯医者にも行ってみることにしました。
一縷の望みをかけて行ってみることにした歯医者は、保険適用外の歯医者でした。
ここに決めた理由は、歯を大事にしている姉が通っている歯医者だったため。
姉も信頼しているようで、しっかりと話を聞いて丁寧に説明してくれると言っていましたので、安心できると思いました。
また、保険適用外の歯医者で治療代が高い分、何か保険内の歯医者ではできないスゴイ治療法があることにも少し期待していました。
結果的には、革新的な治療を受けることはできませんでした。
ですが、保険適用外の歯医者は、普通の歯医者より、一人一人に時間を多く確保してもらえます。
そのため、かなり丁寧に今の虫歯の状態をチェックして、私が納得するまで、時間をかけて詳しく説明をしてもらうことができました。
が、「まだ小さい虫歯のようなので、このまましばらく様子を見ましょう。」とのこと。
まさかの、かかりつけの歯医者を受診した時と同じ展開が待っていました。
ですが、今回の私はこれまでの私とは違います。
今回は歯医者に来る前から、これだけは聞いておこうという質問事項を用意していました。
この時、私が前歯の虫歯について質問したことは次の3つです。
- 歯の裏側から治療できるのかどうか
- 歯の表側から治療した場合、健康な歯と詰め物の境界線は目立つのかどうか
- なぜ「このまましばらく様子を見る」のか
それでは、この3つの質問に対する答えについて、順番に書いていきたいと思います。
歯の裏側から治療できるのかどうか
歯の裏側から治療することは難しいと言われました。
その大きな理由は、私の虫歯の位置です。
私の虫歯は、前歯の隙間にあった訳ですが、どちらかというと裏側より表側に近い位置にありました。
歯の裏側から治療する場合、虫歯にたどり着くまでに、健康な歯を多く削ってしまうため、裏側からの治療は勧められない、そう言われました。
もし、歯の裏側からの治療が難しい理由がそれだけだったら、「それでも、歯の裏側から治療してください!」そう食い下がっていたかもしれません。
ですが、歯の裏側からの治療が難しい理由は他にもありました。
詰め物をしっかりと接着させるためには、ある程度の範囲を削る必要があります。たとえ歯の裏側から治療しても、表側まで削る必要が出てくる可能性が高いです。
やはり、私の虫歯はどちらかという歯の表側に近かったため、どうがんばっても、治療範囲が歯の表側まで及んでしまう可能性が高いようでした。
歯の表側から治療した場合、健康な歯と詰め物の境界線は目立つのかどうか
治療範囲が歯の表側まで及んでしまう可能性が高いことは分かりました。
そうなると、次に気になるのは、もし歯の表側から治療した場合、健康な歯と詰め物の境界線は目立つのかどうか、ということでした。
治療直後は詰め物の色は歯の色に合わせてあるため、あまり目立たないようです。
ですが、時間の経過と共に、歯は着色汚れが付いたり、黄ばんだりしていきます。
そうなると、やはり、段々と健康な歯と詰め物の境界線が目立ってきてしまうようでした。
なぜ「このまましばらく様子を見る」のか
最後は、ずっと不思議に思っていたことを聞いてみました。
勇気を振り絞って歯医者に行く度に何度も言われてきたこの言葉。
「しばらく様子を見ましょう」
虫歯は様子を見ていても消滅するものではありません。
いつかは治療しなくてはならないものを、なぜ「しばらく様子を見る」必要があるのか聞いてみました。その回答がこちら。
- 今削っても、数年後に削っても、同じくらいの範囲を削ることになるから
- 虫歯を治療する場合、虫歯の部分だけを小さく削り取る訳ではない
- 詰め物を接着するために、ある程度まとまった範囲を削り取る必要がある
その保険適用外の歯医者では、虫歯の穴の周りの歯が黒ずんでいないため、虫歯の重症度としては「かすり傷程度」、表面から浅い部分のみの虫歯だろうと言われました。
今削っても、数年後に削っても、同じくらいの範囲を削ることになるのなら、「初めて歯を削るタイミング」は遅ければ遅いほど良いとのこと。
その理由は、健康的な歯を少しでも長く残すためです。
詰め物は、一般的に一定の時間が経つと外れる可能性があります。
もし外れた場合、また詰め物を付けるために、さらに一回り広い範囲を削り取る必要があります。
ですが、それを繰り返すと、健康な歯はどんどんとなくなっていってしまいます。
そのため、健康な歯を最初に削るタイミングは遅ければ遅い程良い、そう言われました。
子どもと違って、大人の虫歯の進行は遅いです。
今すぐ削って治療跡を気にするより、歯磨きを丁寧にしながら虫歯の進行を遅らせて、少しでも削るタイミングを遅くした方が、見た目から考えても、歯の健康から考えても、良い選択でしょう。
虫歯の様子を見続けて6年、ようやく、なぜ「様子を見る」のか、その理由が分かりました。
ですが、同時に、これからも虫歯を抱えながら過ごしていく必要があることを知り、なんだかモヤモヤが晴れない最後となりました。
審美歯科クリニックへ
一番最後に訪れたのが、審美歯科クリニックです。
ここで、インビザラインという選択肢と出会った訳ですが、最初このクリニックに訪れた目的は虫歯治療ではありませんでした。
前々から歯の黄ばみが気になっていたため、歯のクリーニングやホワイトニングに興味があり、このクリニックに訪れていました。
ですが、施術前のカウンセリングで、前歯の虫歯の話になり、そこで初めてインビザラインを用いた虫歯治療を勧められました。
最初は、やはりお金もかかりますので、ただの商売目当てで、変な提案をされていないかと勘繰ったりもしました。
ですが、その時の私は、つい最近、これからも当分は虫歯を抱えて過ごしていくしかないと告げられたばかり。
いつ虫歯が重症化するか気にしながらずっと過ごすよりも、綺麗に治すことができるなら、お金がかかってもやってみたい、そう思いました。
そして、悩んだ末、インビザラインを用いた虫歯治療に、私の前歯の虫歯の命運をかけてみることにしました。
最後に
インビザラインを用いた虫歯治療で、無事、綺麗に前歯の虫歯を治すことができた今、インビザラインを始める決断をしたこと、そして、前歯の虫歯を治療する決断をしたこと、本当に良かったと心から思います。
インビザラインはお金も時間もかかるため、そこに踏み込むまでは、かなり悩みました。
今までずっとそうしてきたように、そのまま様子を見ながら放っておくという選択肢もありました。
ですが、もしもそうしていたら、近い将来、治療が必要になっていた可能性が高いです。
なぜなら、いざ虫歯治療を始めてみると、思いの外虫歯が奥深くまで進行していることが判明したからです。
保険適用外の歯医者に行った時には「かすり傷程度」の表面から浅い部分のみの虫歯だろうと言われていましたが、やはり歯医者の先生でも見た目だけですべてを把握することは難しいのかもしれません。
もしもインビザラインを始めていなかったら、結局数年後に普通に治療をして、治療跡を気にしながら過ごしていたかも…と思うと、決断して本当に良かったと思います。
この記事では、ここまで、私がインビザラインを用いた虫歯治療で、前歯の虫歯を綺麗に治した体験をご紹介してきました。
虫歯の状態は人それぞれ。必ずしもこの方法がうまくいくとは限りません。
ですが、もし、少しでも興味を持ったなら、まずは、インビザラインを取り扱っている歯医者に話だけでも聞きに行ってみてはいかがでしょうか。